フッターマンOTLアンプ~その5~
~ H-3型へ ~
4.H-3型 次製作の予定はフッターマンH-3型です。これは市販されていました。現在も販売されているかどうかわかりませんが、参考文献によりますと、H-3型には出力管として「6HJ5」、「6HB5」、「40KG6A」を使用したモデルがあるようです。
手元にあるH-3の参考文献は、下記に掲載しましたが、最近、製作記事や解説記事をあまり見かけませんので、これらの文献は貴重で大変参考になり、製作意欲をかき立てられます。
このH-3アンプの回路上の特徴は、出力段のSg電源が定電圧化され、打ち消し回路が巧妙に構成されていることと、増幅段は「6EJ7ー6FS5」で構成され、初段は飢餓回路(スタベーション回路)が踏襲され、打ち消し回路と帰還方式もH-1、2と類似しています。
位相反転回路に「6FS5」5極管によるPK分割方式が使われています。この球は「Shadow Grid Beam Pentode」と呼ばれる7ピンMT管ですが、オーデイオ用に使われた例はあまりみかけません。
ここは通常三極管が使用されるのですがF氏があえて「6FS5」を採用したのにはそれなりのこだわりがあるのではないかと推察されますが、実際製作したら何か解るかもしれません。
森川忠勇氏:参考文献②から引用しますと、フッターマンアンプ(H-3)の特徴としては ①ビーム出力管のEsgをEpより高く設定し、内部抵抗を低下させた動作 ②初段5極管によるハイゲイン動作 ③多極管によるPK分割位相反転回路と打ち消し回路 ④スピーカーに直列に入った大容量出力コンデンサー であり、以上の条件を満たしているアンプをH-3型と呼称したい。
としていますので、これからの、製作にあたってはこれらの条件を満足するよう留意します。
フッターマン H-3型 OTLアンプ に関する参考文献
これらの文献は10~15年前に発表されたものです。
①MJ誌1996年5月号松岡洋三氏「コンパクトロン6HB5×8 フッターマン H-3型OTLアンプ贋作始末記」 ②MJ誌1996年5月号森川忠勇氏「フッターマンH-3 OTLアンプの基本性 能を検証する」 ③RG誌1999年4月号浅野勇氏「フッターマン H-3型 ステレオOTLアン プ」<この号は復刻版で、元は1965年11月号です>
↓H-3回路図:参考文献②から引用しました。
蛇足ながら、最近、ヤフオクでH-3が出品されていました。落とそうかと考えていたのですが、思っているより高値になりましたので断念しました。やはり今でも人気があるのですね、マニア垂涎の的でしょうか。機会があれば、現物を拝見したいと思っています。
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